第2章 約束
「夕!!」
「ん?」
「あ、や、えっとー…」
「なんだよ?ハッキリ言えって!」
「どこの高校受験すんの?!」
咄嗟に出た言葉がこれだった。
呼び止めるためとはいえ、さすがに無理があるよ…。
「烏野高校!!!!」
夕は変な顔をするでもなく、私に大声で返してくれた。
「そ、そっか!」
私の志望に入ってないや…。
少し残念な顔をした私に夕はすぐに聞いてきた。
「栞は?お前はどこ?」
「わ、私は…
私も烏野だよ!!」
嘘、ついちゃった…。
「栞!」
「はひっ!」
いきなり呼ばれ舌を噛む。
痛ったぁーーー!思いっきりベロ噛んじゃったー!
「オレもお前も烏野行ってバレー部入ってリベロ!これ約束だからな!!」
「う、うん!約束っ」
顔を上げた瞬間に夕が私のおでこにでこぴんをする。
「痛っ!」
「落ちんじゃねーぞ!!」
「何すんだーーーー!!」