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【ハイキュー!!】約束したから。【西谷夕】

第2章 約束


「どうしたー?」


私は振り返り芽依の顔を見る。



「…ううん!何でもない!行こっ」





私の手を引き、走ってギャラリーの方へと向かった








手すりに捕まり、下を見ると両チームのアップは済んでいた。



「あ、始まった」


ピーーーーーー。



試合の始まりを告げる笛が鳴る。






…さっき、顔が暑かったのは、あいつにあんなことを言われたからに違いない。

生まれて初めてあんなこと言われたし、何より…




すごく嬉しくて、しょうがなかったんだ。








「見て、栞!あのリベロ栞と身長近いんじゃない?」




芽依が指を差す方を見ると、さっきの彼がいた。






「あいつ…リベロだったんだ」



「芽依?」




「あ、ううん!気にしないで!」








再び彼を見ると私は目が釘付けになり、離れることが出来なかった。



明らかに相手チームのエースと彼の身長差が20cm以上ある。



そんなエースのボールを臆することなく、逆に楽しそうに拾っていく。




彼のところにくるボールは弾くことももちろん落ちることもなかった。








観客も、おお!すげー、あのチビ!なんでも拾うじゃん!などの歓声を彼に浴びせる。










「栞?!」



隣にいる芽依から声をかけられ、やっと気づいた。


私が泣いているのを。





「どうしたの?!どっか痛いの?!」



私はふるふると首を横に振る。






…あんたが言ってたのは、これだったんだね。


すっごいかっこいいよ。






私は左手で涙を拭き取り、隣にいる芽依の方へ向く。



「芽依!私、高校でもバレーする!そんで、またリベロする!」





芽依はさっきの心配そうな顔から一気に笑顔になった。




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