第2章 約束
「あーー!!こんなトコにいたー!もう!探したよ?」
芽依が私の傍まで走ってきた。
「…へ?…あ、ごめん!今戻るから!」
ガバッと立ち上がる私をみて芽依は驚いた顔をしていた。
「ちょっ、栞!顔赤いよ?熱でもあんの?!」
芽依は私のおでこに手をあてる。
か、顔が赤いって…そんなはずないよ…!
でも、さっきあいつと別れてから暑い気がする…。
「アタシがいない間にラブコメ的な展開になっちゃったとかー?」
ドキィッ!と芽依に核心をつかれビクビクとする。
「んなわけないっつの!…で、どーしたの?」
「うーわー、話逸らされたー。ま、いっか。
…えっとね、まだ時間あるから同じ会場でやってる男バレ観てろって監督がさ…」
あ、そっか。
私がベンチに来る間に女子は終わったってアナウンスで流れてたっけ。
「優勝校は?」
そこまではアナウンスで言っていなかったため芽依に聞く。
「△△△中。アタシらが戦ったトコ」
「…そっか。…観に行こ、男バレ」
「うん…。栞!」
先に行く私を止めた芽依は少し悲しそうな顔をしていた。