第4章 嫉妬
おぶられている私の跡を追ってついてくる夕。
月島は右手で私を持ちながら、左手で保険室のドアを開ける。
私をカーテンが開いているベッドにゆっくりと降ろす。
「あ、ありがとう」
月島は私に振り向きもせず、スタスタといってしまう。
な、な、な!なによ、あんのガキイィ!
私はおでこに怒りマークを浮かべながらふぅとため息をつく。
「おい大丈夫か?!」
すぐさま夕が私の顔の近くまで寄ってくる。
ち、近いっつの!///
「夕…!ち、近いよ!」
「いーから、じっとしてろよ」
はああぁ?!この状況でじっとしてらんないってのー!
近くて心臓の音聴こえるって!!
「あの」
ぐるぐると思考が停止しそうだったところへ後ろからあのむかつく声が聴こえてくる。
「探してたらあったんで」
ひょいっと月島から長方形の結構小さめの箱だった。
投げられたのは生理痛止の薬だった。
「あ、ありがと…!」
「いーえ」
この月島って子…いい奴なんだか悪い奴なんだか…
「西谷さん、僕キャプテンに言っとくんでキリいい所で部活に戻ってきてください」
「おー」
そう言って月島は静かに出て行った。
出て行った後に少しの沈黙が流れ、夕を横目でちらっと見る。
「あの…夕?」
「………」
私が声をかけるも夕の返事はない。
え?私なにかしちゃったかな??