第3章 like or love
えっと、今って後ろにいるの…夕、だよね?
なんで?!っていうか近いよ!
いきなりの夕の登場に私と龍は目を丸くすることしか出来なかった。
「ゆ、ゆ、ゆ、夕?!なんでいんの?!」
「龍いなかったし、すれ違いかもって思って戻ってきた」
うん、わかったよ。わかったけど近いって!
「ノヤっさん、さっきなんて?」
龍はニヤリとした不敵な笑みを浮かべながら質問をする。
「あ?だからこいつに触んなっつったんだよ」
後ろから掴まれている状態のため、夕の顔と私の顔の距離が近づく。
ひいぃー!し、心臓の音聞こえてないかなぁ…!
「へぇ?なんで?」
「嫌だから」
「なんで?」
心臓の音がさっきとは打って変わって大きくなる。
「好きだから」