第3章 like or love
「あーー…大体話は分かったけどー…」
「うぅ…ずびっ」
龍は坊主頭をカシカシとかいたあとに、大きく溜息を漏らした。
「栞…俺も潔子さんが好きだ!!」
「ハアァ?!あんたもかっ!!」
龍の驚くべき言葉に涙はもうすっかり止まっていた。
うーん、でもまあ、男バレで潔子さん親衛隊が夕と龍っていうのは大分前から知ってたんだけど…
本気、だったんだ…どっちも。
「でもな」
「?なによ?」
「この好きは尊敬、信頼等を込めた好きだ!」
よくわからないので、目を泳がせる。
「つまり!この好きはloveではなくlikeの方!」
「う、うん…」
「ノヤっさんも俺と同じってわけ!」
えっとー…つまり龍の言ってる潔子さんに対する好きがlikeの方で、夕も龍と同じってことはloveではないってことか!!
「じゃ、じゃあ!私はまだフラレたってわけじゃ…!!」
ビシッと私の目の前に右手でピースサインを見せつける。
「まだ好きでいてもいいの?」
「おう、だからいつまでも泣いてんなよ?」
龍は私の鼻をキュッとつまんだ後に頭をポンと撫でる。
「へへ…なんか龍ってお兄ちゃんみたい」
と言った次の瞬間、私の首に人の腕が巻きついてきた。
「龍、こいつに触んな」