第3章 like or love
今までぎゅっと瞑っていた目を見開く。
「栞が好きだから誰にも触られたくねぇ!!」
え、ちょっ、待って…。
は?今、夕なんて…好きって言ったの?私に?
「そっかそっか!ノヤっさん、俺先に帰るからな~♪じゃな栞ー」
ひらひらと右手を振りながら、私の方を向きながらパチンとウインクしながら出て行く龍。
「えっと…」
沈黙を破ったのは私だった。
「さっきのって冗談、だよね?」
ゆっくりと後ろにいる夕を見ると、いつもと違って真剣な顔。
「こんな時に冗談なんか言わねぇよ」
首に回していた腕を夕はゆっくりと離す。
「オレと付き合って」
私はまた涙が溢れそうなのを必死に耐える。
なにさ。潔子さんのこと好きとか言ってたくせして…。
あれ、でも好きってlikeの方なんだよね…。
私も夕が好き。だったら付き合いたいよ!
私は首を縦に振った。
「ほ、ほんとか?!」
「な、なによ!自分から告白しといて!」
「だって、お前龍のこと好きなのかと思ってたから」
「んなわけないじゃんかっ」
少しの間が空いたあとに夕は大きな声で、よっしゃあああ!!と叫びガッツポーズをしていた。