第3章 like or love
やば…っ!
なに言ってんだ!私は!!
言った後に、後悔をし両手で口元をおさえる。
夕を横目でチラッと見ると少し驚いていたが、ニッと笑い
「おう!好きだぜ!!いやー、もうあの人以上に美しい人はいないね!!」
うんうんと腕を組みながら頷く夕。
どう、しよう。結構、これ…クるかも…。
「…へ、へぇ!そっか、そうだよねー!私も男だったら潔子さんのこと絶対好きになってるわー!」
こんなこと言いたくないのに。
でも…笑わなきゃ。
「だっよなー!やっぱ分かってんじゃねーか!」
バンッと背中を叩かれて、わっと小さく声を上げ重心が前へ動く。
「あ、夕。そろそろ行かないとやばくない?」
「あー…だな!龍の奴うるせぇしなー」
ほら、行くぞーと夕に声をかけられるが私はその場から動かない。
「ごめーん!先行って?他の子にもプリント持ってきてって頼まれてたし、遅くなるからー」
「そんくらい待つぜ?」
「いいから行けっ」
そう言うと、夕は入ってきた入口とは逆の扉から渋々と出て行った。