第2章 約束
「あ…」
夕の匂いがする…。
「あ、ありが…」
「ねぇねぇ!あのカップル似てない?てか、ちっちゃい者同士でかっわい~♡」
「確かに!身長160cmいってんのかなぁ~?」
お礼を言おうとしたが、私たちの後ろから女子の2人組がこちらを指差して言っていたためいい損ねてしまった。
っていうか…カップルに見えてんのか…私たちって…。
なんかちょっと嬉しいかも…。
「うるせぇ!カップルじゃねぇし、ちっちゃくねぇ!!」
夕は後ろを向き2人組を威嚇するように言った。
「…ご、ごめんねー?」
「行こ行こっ!」
2人組は夕に怒鳴られた後、逃げるようにしてその場からいなくなった。
「大丈夫か?嫌だったろ、ああいうの言われんの」
「ううん!大丈夫、ありがとうっ」
私は別に…ちょっと嬉しかったのになぁ。
なんて夕に言えるはずもなく、その日は別れた。
「あのー、アタシいるって気づいてる?あんた」
「あ」
夕が行った後に芽依から後ろからポンポンと肩を叩かれる。
それから、私と芽依は女バレに、夕は入学式で意気投合した田中龍之介くんと男バレに入った。
もちろん私は夕との約束のためにも自分のためにも再びリベロになるために人一倍レシーブ練習をした。
その後、私と夕は無事にリベロになることが出来、現在に至る。