第4章 課外授業【マカ・ソウル編】
スイナは静かに落胆した。
「あなたは《長く》生き過ぎた。何度も魂を体に入れ替えて生きてきたんでしょ?」
「何故……それを?」
「私の本と言って、あなたが持ってきたのは先祖の《アリサ=ルーベンス》が書いた本。彼女と読みは同じだけど、スペルが違うの。彼女は【L】を使ったALISA、私は【R】を使ったARISA」
そう言い終えた時、アリサは咳と一緒に大量の血を吐いた。彼女の体は養分に守られ、生かされていた。それを失った今、長くは持たない。
── ドゴォオンッ!!!!
ついに、二人がいる部屋も炎に包まれた。
「スイナ。魂はね、終わりがあるから美しいの。それは誰にも造る事は出来ない、神様にしか。身をもって、それを知るといい。……さよなら、悲しき悪夢」
アリサは一足先に旅立ち、スイナの断末魔は炎から逃げるのに必死なマカとソウルの所まで聞こえた。
「ハァ……ハァ……終わったんだね、何もかも」
「あぁ……終わったんだ、何もかも」
命からがら研究所から出ると、街の人たちで人集りが出来ていた。そこには、あのオムライスの店のお婆ちゃんの姿も。
真っ赤に燃え上がる研究所。それは、いくつもの魂が集まり、まさに【命が燃えている】赤だった。