第4章 課外授業【マカ・ソウル編】
先程抜いた魂をスイナは小瓶に詰め、持ってきていたショルダーバッグにしまった。
「……帰る家なら無い。みんな、この中だから」
軽くバッグを叩き、少女は笑う。年相応の愛らしい顔で。それが更に恐怖心を募らせる。ブルッと身震いがし、アリサは自身の腕をきつく握った。
「体、造ってくれないなら……そうだなー。次は、このお兄ちゃんにしよう」
彼女が狙いを定めたのは……
「ブラッド……。ダメ、絶対に!!!!」
「大切な人なんだね! じゃあ、話が早くていいや!!」
瞬きをした数秒の出来事。彼の体にスイナの手が入り、「ア……リサ……」と愛しい人のか細い声が耳に届いた。その直後……
── バタンッ!!!!
床に倒れたブラッド。そのまま彼は動くこともなく、血液の流れは完全に停止した。
これ以上、誰も失いたくない。アリサは下唇を噛み締め、意を固めた。
ブラッド、ごめんなさい……。そう心の中で何回も繰り返し、謝りながら。
「わかった。あなたに協力しましょう」
「先生!?」
「何を仰るんですか!!」
周りの声を宥め、アリサはスイナを見据えた。
「その代わり、条件があります。これ以上、犠牲者を出さないと誓って」
「うん、分かった」
── 私は間違っていた。結果として、みんな犠牲になった。ブラッドの言う通りにしていれば良かったんだ。
私の手で、今全てを終わらせる……!!