第4章 課外授業【マカ・ソウル編】
アリサは思い出していた。遠いあの日のことを……。
── 悪夢は突然訪れた。
研究所を一人の少女が訪ねてきた。それが全ての始まりだった。
「アリサ先生は、いらっしゃいますか?」
「まぁ、可愛い訪問者さんね。……私がアリサよ」
「弟子にしてください!!」
深々と頭を下げたかと思うと、勢いよく頭を上げ、「先生が書いた この本を読みました!」と宝物を抱きしめる様にアリサが書いた本をギュッと小さな腕の中に抱えていた。
「それは……」
大人の科学者でさえ、音を上げた本。理解出来た者は僅かしか居なかった。その本に、この少女は興味を持ったという。
" この子、ひょっとしたら…… "
不思議な少女にアリサは惹かれ、研究所に彼女を上げた。研究者の悲しい性かもしれない。興味がある事は、とことん調べたくなる。
ここから、全てが狂い出すとも知らずに……。
「凄い!!!!」
研究所の設備に目を丸くし、キラキラした目を隅々にまで向ける少女。年相応の愛らしい仕草に周りにいる研究員たちも笑顔で彼女に あれこれ説明している。
和やかで楽しそうな笑い声が、その場に響いていた。