第4章 課外授業【マカ・ソウル編】
「ハァ……ハァ……」
静かな廊下を2つの足音が駆けていく。マカは 一度来た時にシークレットルームから研究室まで目印を付けていた。今、それを辿ってマカたちは走っている。
「もう少しで着く!!」
十字路を左へ曲がった時だった。
「うぅ……うぅ……」
呻(うめ)き声をあげながら、何十人もの【人】が歩いてくる。その手には、斧やら刀やら大きな肉斬り包丁が握られていた。
「ゲッ!! 挟み撃ちにされてるぞ!! おい、マカッ!!」
マカは下唇をきつく噛み締めた。そして、目に怒りの炎が灯る。
「ソウル……。この人たち……人間じゃない。魂が抜き取られて……獣の魂が代わりに入れられてる!!!!」
「なっ……けど、そんなの不可能だろ!?」
「……心霊医術なら可能かもしれない。前に本で読んだことがあるの。メスを使わず、自分の手を体内に入れて病気を治せるって書いてあった」
ソウルは自分自身の腕を見つめた。刃に代わる不思議な腕を。……不可能なんて無いのかもしれない。もしかしたら、心霊医術も自分と同じ【武器】の可能性もある。
この世は分からない事だらけだ。何があったって不思議じゃない。