第4章 課外授業【マカ・ソウル編】
「うわぁあぁあッ!!!!!」
黒い気が全身から溢れ、正気を保つのが難しい。それでもソウルは負けじと歯を食い縛り、耐えている。
「……フー……フー……」
普段の息遣いとは違う獣に近い息遣いで、手を刃に変え、透明の部屋の壁に力一杯斬りかかった。
── バリンッ!!!!!
大きな音を立て小瓶は割れ、外に出たソウルは元のサイズに戻った。しかし、本人は小さくなっていた自覚が無く、「何か体がバキバキいうな」と体の違和感だけを感じていた。
狂気は、自ら体内に帰っていった。
「あら、坊や。自分で出られたのね、凄いじゃない!」
カツカツ……とハイヒールの音を響かせながら、白衣姿の女が目の前に現れた。
「……誰だよ、アンタ」
「ふふ。"魔女"……とでも名乗っておきましょうか」
薬品の匂いと何の匂いか分からない異臭が鼻を刺激して、ツンと痛い。周りを見渡すと、研究室だろうか。色々な実験器具やビーカー、フラスコなどが所狭しとテーブルの上に置かれている。
「無事、狂気と融合したみたいね。おめでとう」
「ッ!? まさか……アンタが!?」
「そう。あなたの中に狂気を入れたのは他でもない、この私」