第4章 課外授業【マカ・ソウル編】
今しがたまで横たわっていたのが嘘のように、しっかり地面に両足をつけ、ソウルは立ち上がった。口・固く握りしめた拳からは血が滴り落ちている。
「俺は無能だ。でも、バカも使い様って言うだろ? こんな俺をマカは有能にしてくれる。アイツの為なら、アイツが助かるなら、俺の魂なんていくらでもくれてやる。……けど、簡単にはやらねぇよ。自分も助かって、アイツも助かる道が必ずあるはずだから。その為に俺はお前(狂気)を手に入れる!!!!」
「いい度胸と覚悟だ。……さぁ、ソウル。お前に力を貸してやろう」
黒く重たい気がソウルの口から体内に一気に流れ込んでいく。息ができず、苦しい。
「カハッ……!!」
ようやく息が出来た。その苦しみに耐えた目には涙が滲んでいた。
「ゆっくり瞼を閉じ、目を開け」
小鬼の言葉に従い、ソウルはゆっくり瞼を閉じ、目を開けた。すると、ブラックルームは消え、小さな透明の部屋に戻っていた。
特に体に変化は感じられない。しかし、脳内に小鬼の声が響いている。
「行くぞ、ソウル。……狂気解放♪」