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淀んだ世界で【SOUL EATER/※R15※】

第4章 課外授業【マカ・ソウル編】



 ソウルの口元から、じんわり赤が滲む。

「くそっ……」

 思うように体に力が入らない。地に顔を伏せたまま、ソウルは諦めかけた。

「私は信じる、ソウルの事!!」

 ハッと思い出したのは、いつかのマカの言葉。いつだって、ピンチの時にマカは諦めなかった。それどころか、ピンチをチャンスに変えてしまう。

「大丈夫! ソウルなら……ううん、私たちなら出来る!!」

 きっと今だって、その信念を胸に走っているはずだ。

「本当……俺、使えねぇ」

 小さく呟いた弱音は狂気の闇に飲み込まれていく。しかし、ソウルの顔から諦めの色は完全に消えていた。

「アイツだって、一人で頑張ってんのに……」

 鉛のように重い体。それでも、ソウルは少しずつ這い上がっていく。

「カッコ悪い姿なんか見せられねぇッ……!!」

 何とか立ち上がり、小鬼を睨んだ。そんな彼に小鬼は称賛の拍手を贈る。

「ブラボー! やるな、ソウル。でも……」

 何か企んでいるような薄気味悪い笑みを向け、部屋の片隅にある蓄音機にレコードをセットし、ゆっくりと針を落とす。

 流れてくる、もの悲しい調べ。それに同調するように、更に狂気の力が増していく。

「本当の狂気は、これからさ」
「ッ!?……クソッ……」

── ズンッ……バタッ!!

再び、ソウルは地にひれ伏せた。
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