第4章 課外授業【マカ・ソウル編】
一方、小瓶の中に閉じ込められているソウルは、ようやく目を覚ました。
自分の身に何が起きたのか理解出来ず、ボーッと重い頭をブンブン左右に振る。
「………マカ!?」
ソウルの魂がマカの魂に反応を示してか、何となくマカが自分の近くまで来ている気がした。
「職人が頑張ってるってのに、お前は役立たずな武器だな」
突然、何処からか声がする。辺りを見渡してみても、この透明の部屋にはソウルの姿しかない。
「違う違う。目を閉じろ。俺はお前の"中"に居る」
言われるがまま、ソウルは目を閉じた。そして、自分の中に居る何者かと顔を合わせる事となる。
「何だよ、ここ……」
薄暗い黒い部屋。床は白黒のタイルで、何処かのバーの様なクラシックな造りになっている。ただ他のバーと違うのは、寛ぎの空間が広がっていないこと。妙な雰囲気が漂い、ジットリと体にまとわりつく。その中で、ソウルを見つめる影があった。
「……鬼?」
「そうか、お前には鬼の姿に見えるのか」
ケラケラと笑う黒のダブルスーツを着た小さな鬼。
「何で、お前が俺の中に居るんだよ?」
「ソウル……いや、【エヴァンス】」
「……気安くファミリーネームで呼ぶな」
「ケケケケ……いい目をしてる。狂気に溢れた目だ」
ソウルの反応を楽しむように小鬼は話し出した。