第4章 課外授業【マカ・ソウル編】
「そんなある日、あんたの母親が現れた。アリサを助けに来たと。何でも、汚れた魂が居るとかなんとか……。その結果、アリサは死んだ。けど、街の連中は誰もあんたの母親を責めなかったよ」
「どうして?」
「……アリサが死んで分かったのさ。あの子は……人体実験をしてたんだ。この街の人間を使ってね。それ以来、この通りを訪れる人は減っちまった」
オムライスから白い湯気が虚しく立ち上る。魂に魅せられ、自分の魂を悪魔に売ってしまったアリサ=ルーベンス。
「その事を彼女の娘は知っているんですか?」
「何!? 娘だって!? まさか……そんなはず……」
婦人の顔は青ざめていた。
「アリサに子供は居ない」
「え!? でも、ここに……」
マカは司法解剖結果を取り出し、遺体の受取人の名前欄に【スイナ=ルーベンス】と記載があることを婦人に見せた。
「……考えたくはないが……そのスイナは……人体実験で生まれたクローンかもしれない」
「まさか!! クローン……。だから、殴っても平気な顔をしてたのね。きっと、ストックが居るのかもしれない」
「……その子と戦うんだね」
婦人の言葉にマカは頷いた。
「私の大切な人を取り返しに」
「……そのオムライスは"勇気"の出る魔法のオムライス。大丈夫、あんたならやれる! あの子の娘なんだから! さぁ、熱いうちに召し上がれ」
「頂きます」と挨拶をし、マカはスプーンでオムライスをすくって口へ運んだ。
柔らかくて甘味のある卵と中のケチャップライスが絶妙にマッチして、味わい深い一品だ。
これを食べたら、マカは向かう。 最終決戦の場へ……。