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淀んだ世界で【SOUL EATER/※R15※】

第4章 課外授業【マカ・ソウル編】



 二人の居場所をマカは特定した。そこから動く気配は無い。

 腹ごしらえに立ち寄ったのは、赤レンガ造りの古い料理屋。石畳の坂の途中にある店である。下の活気からすると、ここ一体は何処か寂しく感じる。人通りも少ない。

── カランカラン。

 店のドアを開けるとベルが鳴った。入り口付近に飾られた一枚の写真。そこには、あの人物が写っていた。

「……やっぱりね」

 マカがこの店を選んだのは偶然ではない。女が見せてくれた女の母親の司法解剖結果。そこに、この店の料理を食べていた記載があったのだ。

 もしかしたら、日頃から口にしていたのでは?とマカは読み、ここを訪れた。

「いらっしゃい……おやまぁ!!」

 店の奥から出てきたのは、お歳を召したご婦人。マカの顔を見るなり、「懐かしい顔だね」と微笑んだ。

「お母さん、ソックリだ!」
「ママを知ってるんですか!?」
「あぁ。幼い頃から、ね」

 まさかの展開だ。マカの母親と女の母親は前から接点があったのだろうか?

 街が一望できる窓側の席に案内され、マカは椅子に腰かけた。

「はい、お水。あんたの母親は決まって、うちの"オムライス"を注文したよ」
「じゃあ、私も! ……あの写真の人も?」

 あえて名前を出さず、婦人にマカは訊ねた。
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