第4章 課外授業【マカ・ソウル編】
様々な思いがマカの中で溶け合って、透明だった心を濁らせる。今まで見てきた全ては、本当の全てではなかった。自分の知らない事がまだ隠されているのではないかと疑ってしまう。
大人へと続く階段を登り始めた彼女への精神的ダメージは計り知れない。
それを見て女はニヤリと口角を上げた。地に手をつき、絶望へと堕ちていくマカの姿をずっと待ちわびていたのだから。
「無様ね。あなたは何も知らない無知な子供。パートナーである武器が居なければ何も出来ない無力な子供。分かる? あなたには何も無いの」
女の言葉がマカに突き刺さる。
【あなたには何も無い】
「あら? 言い返す気力も無いの? 張り合いが無いわね……」
── ガンッ!!
突然、女はマカの顔を拳で殴った。
「言ったでしょ? "簡単に死なせない"って。私がどれほど絶望したか分かる?」
今度は女の鋭いヒールの先が溝内を襲う。赤い飛沫が地面に飛び散った。咳き込むマカの前髪を鷲掴みにし、女は微笑む。
「あなたの母親にも分からせてあげないと」
「……このッ!!」
ブンッ!!とマカも女の顔目掛け、拳を振った。見事にヒットしたものの、あまり効いてない様だ。
「そうでなくちゃ……殺りがいがないわ」