第4章 課外授業【マカ・ソウル編】
「そりゃ話せる訳ないわよね。自分が人殺しだなんて。特に娘には知られたくないはずだもの。……あなたも私も不運ね。あなたの母親さえ居なければ、こんな思いしなくて済んだのに……」
「……そんな訳ない。ママは、そんな人じゃない!!」
「そう思いたいのは分かるけど、これが現実。受け止めなさい、お子様」
「証拠はあるの?」
女はため息を吐きながら、マカに2枚の紙を手渡した。
「おバカさんね。大人が証拠も無しに言うわけないでしょ。これは、私の母の司法解剖書と、あなたの母親の聴取記録」
そこには、女の母親は【大鎌で胴体を真っ二つに切断され即死】と記されていた。そして、もう一枚の聴取記録には衝撃的な内容が記されていた。
「……ウソ……」
「だから、これが現実なんだってば。本当、諦めの悪いガキね」
聴取内容を全面的に認めるマカの母親の供述が淡々と綴られていた。
ペタン……と、その場にマカは力なく座り込んだ。ショックで頭の中は真っ白だ。そして、この聴取記録の日付から、ある事に気付いた。
ちょうど、この出来事の翌々月。
「……パパと離婚することにした」
度重なるデスサイズの浮気。それが離婚の原因だと思っていたが、本当は……
「あなたの母親の罪を揉み消したのは、あなたの父親と死神よ」
これ以上、迷惑をかけられないという母親の決断だったのかもしれない。