第4章 課外授業【マカ・ソウル編】
「へ~。宛もないのに探しに行くなんて、余程おバカさんなのかしら?」
突如、頭上から声が降ってきた。マカが見上げると、白いブラウスを胸元ギリギリまで開け、紺のミニスカに黒のハイヒールを履き、白衣を羽織った " 研究者 " 風の女が空飛ぶホウキに両足を揃え、腰掛けていた。歳は30代前半ほど。長い黒髪で、ふっくらとした唇の下にあるホクロが色気を引き立たせている。スタイルのいい大人の女性だ。
「誰!? ………まさか、魔女?」
「フフ……。"魔女"、そう呼ぶ人も居るわね」
何枚も癖がありそうな女。一体、彼女は何者なのだろうか……。
「全部、あなたの仕業ね」
「えぇ、そうよ。だって……」
高速で移動し、マカの顔面スレスレまで女は近づいた。
「この憎たらしい顔を歪ませてやりたくて。あなたには簡単に死んでほしくないの。たくさん、たくさん苦しんで」
「悪いけど、私まだ死ぬ気ないから」
女の話を中断させ、マカは言い放った。
「ソウルを捜してる途中なの。邪魔しないでくれませんか? オバサン」
── プッツン……
女の中で何かが切れる音がした。