第2章 NEW FACE
保健室の扉を開けると、保健医のサラが時雨たちを出迎えた。小柄で栗色のボブヘアーが似合う可愛らしい女性だ。
「話は聞いてます! 二人とも、こんなボロボロになって……さ、早くここに座って!」
椅子に二人を座らせ、サラは傷の手当を始めた。時雨の隣にいるキッドが小声で「聞きたいことがある」と保健室から出るよう促した。
「みんなは、授業に戻りなさい。二人は……もう寝てるから」
「は、はい。……火ノ丸のこと、よろしくお願いします」
「ブラック☆スターも、よろしくお願いします」
時雨と椿はサラ先生に頭を下げ、先に保健室を出た。キッドも去ろうとしたのだが、サラが呼び止めた。
「キッドくん。死神様のご子息だからって、また二人を傷付けたら許さないわよ。……"優秀"な二人なんだから」
「……わかりました。すみませんでした」
キッド・リズ・パディも頭を下げ、保健室を出た。