第2章 NEW FACE
「カッコ悪ぃ。体力が底を突いてんのに無理するから」
ブラック☆スターに冷めた視線を送りながら、火ノ丸はその場に腰を下ろした。地に置いた手が微かにガタガタと揺れている。きっと彼も限界を通り越しているのだろう……。
「さっきは、すまなかった。つい本気に」
火ノ丸にキッドは近付き、手を差し伸べた。
「責任を取って、保健室まで送らせてくれ」
「……誰かの助けなんざいらねーけど、そこまで言うなら、頼むかな」
「じゃあ、反対側は私が支える!」
右をキッド、左を時雨が支えながら、保健室へとゆっくり向かう。ブラック☆スターは、椿とリズ・パディが運ぶ事になった。
「自己紹介がまだだったな。デス・ザ・キッドだ」
「俺は火ノ丸。……隣にいる時雨の武器だ」
時雨が自己紹介をする前に火ノ丸からキッドに話してくれたことが、時雨は嬉しかった。……認められたような気がして。