第2章 NEW FACE
「まったく君たちは!! ……って、あら?」
鏡の中でキョロキョロ辺りを見回す死神様に、地面に倒れている二人を指差し、私は笑顔で答えた。
「あ、二人にはきつ~く制裁を下したので! 死神様の"死神チョップ"の出番はないです!」
「そ、そう……(時雨ちゃんは怪力だからね~) それじゃ本題に入るから、二人とも起きて」
ムクッ……と二人は重たそうに体を起こし、頭に付いた破片を払った。
「くぅ~。相変わらずの馬鹿力だな。あ~、イテ~イテ~」
「ブラック☆スター、下手な芝居はやめて。何なら、起きれないようにしてあげよっか?」
「いいぜ! やれるもんなら……ッ!?」
「言ったね! それじゃ、お望み通り……ッ!?」
頭を押さえ、時雨とブラック☆スターはその場を転げ回った。
「死神チョップ!! いい加減にしなさい!! 話進まないから、先に進めます!!」
イライラした面持ちで死神様は話していく。
「今日から、私の息子である【デス・ザ・キッド】が死武専生として通うのよ。ちょっと神経質な子だけど、仲良くしてあげてね」
「……話って、それだけ?」
「火ノ丸、ここからが本題。……鬼神になりそうな魔剣がうろついているって情報が入ってね。魂収集に行く際には気を付けるのと、もし出会した場合は速やかに死武専に戻って来ること。特に、ブラック☆スターと火ノ丸! 向かっていくことだけはしちゃダメよ。……君たちでも死ぬからね、確実に」
死神様のただならぬ気迫に時雨たちは息をのんだ。