第2章 NEW FACE
そして、ついにその瞬間は訪れる。
「時雨! 今だッ!!」
火ノ丸の合図で、空に一発弾丸を放った。雲を裂いた隙間から、眩(まばゆ)い光の束が敵にのみ当てられた。
「……これが、"照射(スポットライト)"」
「う、わぁあぁあ!!!!」
光により敵は燃え付き、灰と化した。残された魂を火ノ丸は嬉しそうに口にする。
「ご馳走さまでした!」
「これで魂90個いったね!」
「もうすぐ、俺様もデスサイズ!! くぅ~、待ち遠しいぜ!」
「帰って、死神様に報告しよっ!」
「おぅ!!」
二人は死武専に戻り、死神様の元へ向かった。
「なぁ、何で大将は外に出ないんだ?」
「何でも、この街全体を自分の魂で覆ってるから、出たくても出られないんだって」
「不便だな、そりゃ」
「そのおかげで、このデスシティは平和なの」
「なるほどな……」
と、その時。黒い塊が前方から飛んできた。
「おわっ!? あっぶねー!! ……手裏剣?」
「……帰ってきたみたいね」
「暗殺道其の一! 闇にまぎれ、息を殺し、目標のスキをうかがうべし。暗殺道其の二! 目標と同調し、目標の思考・行動を推測せよ! 暗殺道其の三! 目標が自分の存在に気づく前に相手を倒せ。ひゃっはぁ~☆ 俺様参上!」
高々と腕を挙げ、「決まった!」と言わんばかりに死神様の元へ続く鳥居の上に立つ、水色の髪の少年。
彼こそが、ブラック☆スターである。