第2章 NEW FACE
時雨と火ノ丸は少しずつではあるが、パートナーとしての軌道に乗り始め、魂集めは順調に進んでいた。
「火ノ丸!! ……"魂の共鳴"!!」
「分かってらい! ……"魂の共鳴"!!」
火ノ丸はリボルバーに変身し、時雨の手の中に収まった。共鳴率も前より上がり、手にした時の違和感は消え、攻撃にも重みが増してきた。
「……時雨」
「ん?」
「今なら出来るかもしれない……」
「何を?」
「新技に決まってんだろ!! 派手に行こーぜ! ニシシ♪」
確かに共鳴率の高い今なら、出来るかもしれない。新しい技に気持ちが弾む反面、敵と向かい合ってる現状。……もし失敗したら、隙が生まれる。リスクが高い。時雨は躊躇った。
「やめた方が……」
「何言ってんだよ! 実戦では、常にスキルアップが必要とされる。モタモタしてたら……殺られるぜ?」
ゾクッと彼を持つ右手から殺気が伝わってきた。
「……分かった。やってみる!」
「大丈夫、簡単だから! 俺の波長にお前の波長を更に乗せればいい。小さな波がビッグウェーブに変わったら、空に向けて 一発放て」
敵の攻撃を交わしながら、波長を上げて行く。ビッグウェーブを待つ様は、サーファー宛らだ。