第1章 一人ぼっちの職人と新たな武器
森を抜け、レンガ作りが建ち並ぶ街へ時雨たちは戻ってきた。
「ここでいっか。死神様に報告しなきゃ! えっと……死神様の鏡番号は……"42-42-564(シニシニコロシ)"っと……」
廃墟になっている建物の大きな鏡に数字を書いていく。
「マカは、死神様と鏡で交信するんだね!」
死武専の生徒は各々、死神様と連絡を取り合う方法が違う。彼女の場合、それが鏡を使ったものだった。
「時雨ちゃんは?」
「私は、コレ!」
「そ、それって……」
「GPS機能付き携帯電話。これで、テレビ電話すんの!」
「は、ハイテク過ぎるッ!!!!」
ソウルとマカは顔を見合わせ、ガックリと肩を落とした。
「コホン。……もう、いいかい? ずっと待ってるんだけど」
鏡の向こうから現れた死神様がため息を吐いている。
「あ、すみません! 目標、撃破しました!」
「今回は、コイツがCOOLに決めたぜ!」
「おぅ! 魂1つGETしたぞ!」
すっかり意気投合したソウルと火ノ丸は、仲良く肩を組んでいる。
「ご苦労様! それじゃ、帰りも気をつけて」
「死神様、その前に質問!」
マカが小さく手を挙げながら訊ねた。
「今回のミッション……1つ星ランクじゃないですよね?」