第1章 一人ぼっちの職人と新たな武器
時雨と火ノ丸は走り続け、ようやくマカとソウルの元へ着いた。
「マカ、ソウル!!」
「アイツは……」
「時雨!?」
ポタポタ額から血を垂らしながら、マカが私を見つめた。
「俺様が来たから、もう大丈夫だ! 二人は後ろで横になってな!」
時雨の背後から火ノ丸が高笑いをしながら現れ、マカとソウルの表情が曇った。
「な、何だ? ブラック☆スター2号か?」
「確かに、よく似てる……」
「彼は、火ノ丸。私とペア組んだの、今日だけ」
「あ? 違うぞ! 組んでやったんだ、俺様が!」
またしても、ブラック☆スターさながらの言い方だ。
「それより、魔物と闘ってたの?」
「えぇ。……時雨も感知能力が?」
「うん。今は……近くに居ないみたいだね」
「油断はダメ! 相手は、デッカイ木の魔物なの。木と同化されると、感知出来ない」
「……厄介な相手」
ソウルが頬の傷を手の甲で拭いながら、静かに言った。
「あぁ。斬撃もアイツには効かない。切っても切っても、再生しやがる」
斬撃の威力が高いソウルの鎌。大体の敵は、マカの一振りで消し去ることが出来る。だから、二人がボロボロになっているのは、あまり見掛けたことがない。しかし、今……二人は怪我を負い、ボロボロになっている。よほど敵は手強いようだ。