第1章 一人ぼっちの職人と新たな武器
「火ノ丸ー?」
辺りをキョロキョロするも、あるのは彼の衣服だけ。
「火ノ丸ー!? どこ行ったんだろ……」
魂感知で、居場所を割り出す。
「(……いた! あれ? ……この魂反応は……)」
── ザバァーンッ!!!
「ひゃっほぉ~!!」
水中から勢いよく飛び出てきた火ノ丸。だが、彼は……
「いやぁああー!!!」
「うわぁあぁー!!!」
生まれたままの姿だった。
「は、早く服着なよ!」
「言われなくても着る! つーか……覗きか?」
「誰が!! ……とりあえず、急いで」
「……何だよ、ただ事じゃねーって顔して」
「うん。ただ事じゃない。……火ノ丸、一緒に……」
「断る」
話を切るように、バッサリと彼は断言した。このままじゃ……"あの二人"が危ない!
「火ノ丸の力が必要なの!」
「知らねー。俺は誰とも組む気はない。じゃ、俺は行く」
「……"正義のヒーロー"に、なりたくない?」
背を向け、歩き始めた火ノ丸だったが、私のこの一言でクルッと向きを変え、戻ってきた。
「"正義"は貫く。ヒーローにも、俺はなる」
「なら、決まりだね」
私たちは急いで、闘っている"二人"の元へ直行した。