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淀んだ世界で【SOUL EATER/※R15※】

第1章 一人ぼっちの職人と新たな武器



「あ、いた!」
「……よっ」
「"よっ"じゃないよ! ま、アンタが居なくても……って、どうしたの!?」
「ん?」
「汗、ビッショリだよ?」

 オレンジ色のTシャツが汗を吸って、尋常じゃないほど濃くなっている。外気温は過ごしやすいくらいだ。暑さで汗をかいたとは考えられない。火ノ丸も誰かと闘ったり、過度な運動でもしたのだろうか……。

「あー……ちとな」
「来る途中に小川があったから、そこ行こう」

 サラサラと流れる澄んだ水。時雨は足を浸し、全速力で走った疲れを癒した。火ノ丸は、少し上流で、水浴びをしている。

「ぷはーッ!! 生き返るー!!」

 ジャバジャバ水しぶきを上げ、はしゃぐ火ノ丸。

「まったく、ガキなんだから……」

 呆れつつも、久々にパートナーがいる感覚に楽しさや嬉しさが溢れ、自然と口角が上がる。

 独りより、側に誰かがいてくれた方が何倍も楽しく過ごせる。そう思わせてくれた彼となら…………

「あ、あのさ……私と……って、あれ? いない!!」

 小さく見えていた彼の姿は何処にもない。
バシャッ!!と、水面から足を出し、彼がいた方へ走る。
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