第6章 課外授業【夢主編】
「お兄さんは、オバサン……ルルーノさんと知り合いなの?」
「まぁな。お前こそ、知り合いなのか?」
「……うん。コール兄ちゃんを訪ねて、よく遊びに行ったから」
「コール? 誰だ、それ」
「オバサンから聞いてない? コール兄ちゃんは、オバサンの子供なんだ」
「……へぇー。子供いたのか……」
それで部屋が余ってたんだな、と火ノ丸は一人納得した。少年は悲しげに長い睫毛を伏せ、呟くような声で思いを発した。
「この街は、秘密に埋もれちゃったんだ。みんな、口を閉ざしてる」
「……【季節を忘れた】と関係あるのか?」
驚いた表情を見せるも、すぐに少年は微笑んだ。
「お兄さん」と少年が発した時、火ノ丸は人の気配を察知した。三人分の足音が、こちらに向かって来る。