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淀んだ世界で【SOUL EATER/※R15※】

第6章 課外授業【夢主編】



 夜になり、街からは音が消えていた。寂しく灯る街灯。昼の賑わいが嘘のようだ。

 闇に落ちていく雪を 時雨は窓際に置かれた椅子に座り、眺めていた。先程、キードに部屋を案内してもらい、今は その部屋で夕食が出来るのを待っている。

 一度キッチンへ向かい、夕食の用意をしていたルルーノに「手伝います!」と時雨は申し出たのだが、「寒い中、薄着で歩いたり、荷物運びをして、体が疲れているはずだよ。今日は体を休ませてあげな」と言われ、再び部屋に戻ってきたのだった。

「……ヒマ……」

── カチ、カチ、カチ……

 壁に掛けられた木製の時計の秒針が話し相手になっていた。火ノ丸とは部屋が別で、彼は隣の部屋にいる。……はずなのだが、やけに静かだ。まるで、もぬけの殻のよう。

 時雨は椅子から立つと、隣の部屋へ向かった。彼がじっとしているはずがない。部屋のベッドは、ふかふかしている。火ノ丸ならば、ベッドにダイブして隣の部屋に聞こえるほど叫ぶに違いない。しかし、そんな声は一切聞こえて来なかった。

── コンコン……

 ドアを軽く 二回ノックした。……応答がない。もう一度 試みるも、結果は変わらなかった。火ノ丸は、何処へ行ってしまったのだろうか。ドアに触れていた右手をゆっくり下ろし、時雨は ため息を吐き出した。

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