第6章 課外授業【夢主編】
「俺たち、死武専通ってんだ。コイツが職人で、俺が最強の武器」
サラッと素性を明かした火ノ丸の脇腹に時雨の肘が打ち込まれた。「うっ……」と小さな うめき声を彼は漏らしたが、雪道を走るタイヤの音に掻き消され、時雨とルルーノには届かなかった。
「何話してんの!? こういうのは、もっと慎重に……」
小声で火ノ丸を叱る時雨。けれど、彼の顔に反省の色は全く見えない。
「大丈夫だって。変に嘘をつく方が怪しまれる。こんな格好じゃ、観光客じゃねぇのは一目瞭然だし。それに……助けてくれたんだ。嘘は、つきたくねぇ」
「……はぁ……」
ため息と共に頭を抱えた時雨に、ルルーノは笑いながら言った。
「はは! あんた達、仲良しなんだね! ……さ、着いたよ! ようこそ、キュリスの街へ」