第5章 課外授業【ブラック☆スター・椿編】

　だが、今回のマドウト村・ブラック☆スター襲撃を受け、確定した。人一倍やさしかった元生徒の面影は、もはや無い。あるのは、鬼神と化していく魔剣の姿。

「……こうしたくはなかったけど……若竹に "抹殺命令"を出すしかない……。このまま放っておくのは、あまりに危険だからね。椿は、引き続きブラック☆スターの傍に居てチョーダイ。……大丈夫。ブラック☆スターは戻ってくる。そういう力強い子だから」
「はい。……時雨ちゃんにも伝えるのですか？」

　少しの間を置いて、死神様は答えた。

「……そうなるね。元パートナーとして辛いと思うけど、これ以上被害が増えて、鬼神に彼がなってからじゃ手遅れになっちゃうから、早めに手は打っておかないと。……いつやるの？ "今でしょ！"」
「……どう反応したらいいのか分からないギャグは、困ります……」
「ごめん、ごめん。それじゃ、ブラック☆スターの事は頼んだよ」

　ゆっくり消えてゆく煙。椿の心にも、モヤっとした気持ちが広がっていた。