第5章 課外授業【ブラック☆スター・椿編】
椿が祈る気持ちで村に着くと、入口付近で倒れている彼の姿があった。途切れ途切れ続いていく乾いた血の道。朦朧(もうろう)とする意識の中、這いつくばって彼はここまで辿り着いた。もはや、彼を動かしたのは気力だけだった。
言う事を聞かない体を引きずって、何としても村に入らせまいと思ったのだろう。そんな姿に、この場にいる全員が目から言葉の代りにポロポロと思いを溢(こぼ)していた。
「ブラック☆スター、あなたって人は……」
急いで応急処置を行い、村の病院へ人力でブラック☆スターを運んでいく。
復讐の相手だった彼に皆、「死ぬな!!」と声を掛けている。その光景に椿は そっと目を閉じ、魂で彼に語りかけた。
「聞こえてますか? この声はみんな、あなたを思う声。村を守ってくれて、ありがとう!! ……必ず戻ってきてね。待ってます!!」