第5章 課外授業【ブラック☆スター・椿編】
グッと胸ぐらを掴み、若竹にブラック☆スターは詰め寄った。ブラック☆スターの瞳に映った若竹は少し体を震わせ、怯えていた。
「お前に、どうしても聞きたかった事がある」
身長の高い若竹を見上げ、鋭く睨みつける。
「何で、時雨を裏切った? ……誰がどう見たって、お前たちは最高のパートナー同士だった」
「……ブラック☆スター。この世界には知らなくていい事もある。俺は、それを知ってしまった。……あの日から、俺の全ては崩壊したんだ」
「言え。……時雨と何があった?」
「それを聞いて どうする? あの女を殺すか? あの女を拒絶するか? ……それとも、共存するとでも言うのか?」
「ンなの分かんねェよ!! あいつは、あいつだろ!? 姿・形が変わったって、時雨は時雨だ!!」
ブラック☆スターの返答に若竹は ふわりと微笑んだ。やっと見せた"人"らしい表情。とても柔らかく、和やかだった。
「お前は、強いな。ブラック☆スター」