第5章 課外授業【ブラック☆スター・椿編】
ドサッ……と転倒した所に、ブラック☆スターは すかさず攻め入る。
「黒☆星 ビックウェーブ!!!!」
手のひらに集めた魂を打ち込もうと右手を出した時、これを待っていた! と言わんばかりに、若竹の刀が下から上へ振るわれた。
咄嗟に避けたが、風の塊がブラック☆スターの頬を捉える。しかし、綺麗な切り口からは血の筋が浮かぶだけで、吹き出たりはしていない。
「旋風。……忘れたか? 俺の剣は振るった時に生じた風も操れる事を」
「チッ……油断したぜ! 見た目は落ちぶれたけど、腕は上がったんじゃねーか?」
この時、既にブラック☆スターは勘づいていた。戦いの結末が良からぬことに。
体一つで戦うには分が悪い相手、それを初めから承知していた。しかし、彼には償わなければならない過去がある。星を背負った者の定めと向き合ったのだ。
死武専生最強と呼ばれるブラック☆スターを倒したとなれば、若竹は満足して村から出ていくだろう。そこまで考え、彼は此処に独り残ったのだ。