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淀んだ世界で【SOUL EATER/※R15※】

第5章 課外授業【ブラック☆スター・椿編】



 互いを見合う。張り詰める空気がピリピリ痛い。吹き抜けていく夜風も二人を避けている様だ。

 無言のまま、一歩、また一歩と距離を詰めて行く。ゴクリ……と固唾を飲む音さえ聞こえるほど、辺りは静寂に包まれている。それが更に緊張を生む。

 その刹那。どちらからともなく地を蹴り、凄まじい攻防が開始した。

 若竹の刃に触れたら、一巻の終わりだ。斬られた者に痛みは無く、刀を振った音はしても斬られたことさえ分からない。痛みが出た時、それは【死】を意味する。

 剣術のたつ若竹に対し、体一つで攻撃を躱(かわ)すブラック☆スター。体術の優れている彼でも、なかなか反撃の目処(めど)が見出せない。

「椿が居らぬ お前など敵ではない。……職人は、もっと武器を慕うべきだ。お前たち職人は、もっと自分の無力さを知るがいい」

 若竹が大きく刀を振り翳(かざ)すと同時に、ブラック☆スターはしゃがみ、地に手をつくとコンパスのように左足を軸にし、右足を回転させ、若竹の足を足払いした。

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