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淀んだ世界で【SOUL EATER/※R15※】

第5章 課外授業【ブラック☆スター・椿編】



 エメラルと出会った森で感じた寒気。 あの禍々しい気を放っていたのは、死神様も話していた【鬼神になりそうな魔剣】と見て間違いないだろう。この村で殺されていた者達の魂も抜けていた。

 ……禁忌を犯し、鬼神になろうとしているのか?

 暗い森の中、ブラック☆スターは息を殺し、感覚を研ぎ澄ませる。辺りに人の気配は無い。どうやら、村人たちの避難も完了したようだ。

「クソッ! どこ行きやがった!?」

 かなり手強い相手。椿を長と行かせた本当の理由も、ここにある。

 あの気を感じた時、ブラック☆スターの脳裏に最悪のビジョンが浮かんだ。これまでだって、命の危機に晒された事はあるが、具体的な映像が浮かんだ事は今の今まで一度たりとも無い。

 【恐怖】というものを初めて彼は知った。それを受け、もし彼女といつもの様に闘ったら、傍にいる彼女を護れるか? 無傷で彼女を生還させる事が出来るか?

 答えは、限りなくノーに近い。自分だけが犠牲になる分には構わない。彼女を助ける事が出来ず、それどころか何も出来ぬまま、ただ見ている事しか出来ない状態に陥る可能性だってある。そんなの耐え切れない。

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