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淀んだ世界で【SOUL EATER/※R15※】

第1章 一人ぼっちの職人と新たな武器



 森の中は薄暗く、赤と青の2色の羽を持つ変な鳥の「ジッポ、ジッポ〜」という不気味な鳴き声が響いていた。

 時雨は足を止め、自分を尾行している何者かに話し掛けた。

「居るのはわかってる……。さっさと、出てきたら?」

─ ガサガサガサッ……

 木の影から、時雨の方へ何かが向かってくる。得体の知れないモノとの遭遇により、緊張の糸がピンと場に張り詰める。

「………え?」

 目の前に現れたものに身構えていた彼女は呆気に取られ、立ち尽くした。

「人形?」

 人に操られ動く操り人形(マリオネット)。だが、目の前にいる人形に動かすための糸はない。それでも、人形はカタカタと手を挙げたり、首をかしげたり、奇妙な動きを繰り返している。

「(……魂も……ない)」

 考えに集中しようと、人形から目を離した時。

『"よそ見は、いけません"』

─ ドガッ!!

「くっ……見かけによらず、力強いんだね」

 人形の右ストレートが時雨の左頬にヒットした。
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