第5章 課外授業【ブラック☆スター・椿編】
夜が深まり、辺りにフクロウの鳴き声が不気味に響き渡っている。そんな中、突如として静かだった村に異変が起きた。
── ガタッ……ズシャッ!!
「何だ? 今の物音は……」
「あ、あなた……」
「大丈夫、ちょっと見てくるだけだから」
村人は外から聞こえた物音に恐る恐る戸を開け、辺りを見渡した。
「……気のせいか?」
雲に隠れていた不気味な月が顔を出すと……
「う、うわぁああぁ!!!!」
首から上の無い遺体が地面に横たわり、血の海が広がっていた。
「お、長に伝えねば!!!! お、お前も一緒に来い!!!!」
その事は直ぐ様、椿が居る宿にも伝わった。廊下を行き来する足音が忙しない。何かあったと察した椿は浴衣から服に着替え、忍具入れをセットし、襖を開けた。
「どうしたんですか?」
「誰かが殺されたみたいです。……く、首が無くて身元はまだ分かってませんが……背格好から、おそらく、コウゾウさんではないかと……」
この状況で真っ先に疑われるのは、間違いなくブラック☆スター。椿は急いで彼が拘束されている牢屋へ向かった。