第5章 課外授業【ブラック☆スター・椿編】
両手を横に広げたブラック☆スターは、椿の前に立ち、攻撃の手を止めない村人たちに言った。
「コイツは俺( 星族 )とは無関係だ!! 殺るなら、俺だけにしろッ!!」
彼の声に村人たちをかき分け、村の長が二人の前に姿を現した。60代ほどの小太りな男性だ。他の村人は紺やグレーの服を着ているのだが、それに比べ、色味のある小豆色の服を着ている。
「手荒な真似をして、申し訳ありません。あなた様は中務(なかつかさ)様の御子息ですね」
「何と!! これは、ご無礼を!」
「中務様の御子息とは知らず……あぁ、何ということを……」
先程とは打って変わり、椿をたくさんの人が囲んだ。ブラック☆スターは、それを呆気に取られた様子で少し離れた所から見ている。
「中務様より、この戦法を学びました。この村では、あの御方は英雄なのです。ここに滞在して居られた際、あなた様のお写真を中務様より拝見致しました。……月日が経つのは早いものですね。あんなに幼かったのに、もうこんなに立派になられて」
「そうですか……」