第5章 課外授業【ブラック☆スター・椿編】
村を訪れた者は、開けた道の真ん中を歩かざるを得ない。実は、これは計算されたもの。
村に誰がやって来たのか一目瞭然にするため。更に、これ以上奥へ進ませたくない相手の場合、この場で足止めする事が出来る。例え、戦闘になったとしても、村人たちの住まいは奥にあるため、危険が及ぶ前に避難も可能だ。
村人たちは過去の経験から、村の改造計画を行った。あの惨劇を、もう二度と繰り返さない。その強い思いで。
「止まれ! これ以上の侵入を禁ずる!!」
「今すぐ、村から立ち去れッ!!」
「帰れ!! 星族!! 」
「この悪魔!! とっとと出て行きやがれ!!」
「人殺し!!」
四方八方から浴びせられる罵声。それに加え、槍や弓、石ころまでもが二人 目がけて飛んでくる。その中の一つが椿の額を掠(かす)め、そこから瞼の上を伝って行き、一筋の涙のように赤い血液が頬を流れていった。