第5章 課外授業【ブラック☆スター・椿編】
「……ありがとう、ブラック☆スター。ありがとう、お姉さん」
椿の温もりに、今だけは……とエメラルは顔を埋め、直に伝わる愛に甘えた。
「何となく、お前の気持ちは分かるから。………だから」
真っ直ぐなブラック☆スターの瞳。まさに、漆黒に輝く星のように、力強い光を放っている。
「俺が次来た時には、超ビッグなカブト虫を」
── グサッ!!
「……グハッ!!」
「もう、ふざけないの!!!!」
ブラック☆スターの脳天を椿が (※)打った手裏剣が見事クリーンヒットし、その場に彼は倒れた。
「まったく!」
「ふふ、どうしようもない人」
「……クスッ。本当に」
エメラルは、とびきりの笑顔で笑った。この笑顔がずっと続きますように、そう願いながら椿も笑った。
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(※) 手裏剣は【打つ】と表現される事が多く、諸説ありますが、その詳細は不明。本作も【打つ】の方が文面・内容的にも しっくり来た為、使用しました。