第5章 課外授業【ブラック☆スター・椿編】
神木の前では、椿とエメラルがお喋りを楽しんでいた。二人の笑い声に辺りも明るく見える。その姿を見て、ブラック☆スターの目尻が少し下がった。
「待たせたな!! 俺様ちゃんのお帰りだ!!」
「あ! お帰りなさい、ブラック☆スター」
「おかえり。……何なの、その変なのは」
彼が担いでいるモノを指差し、眉を顰(ひそ)めるエメラル。立て札なのは分かるが……デカデカと彼のサインが描かれている。
一方のブラック☆スターは、彼女の反応に「それを待ってたゼ!」と言わんばかりに、ジャジャーン!!と二人の前に立て札を下ろし、神木の側の地にグサッと深く刺した。
「……これを作ってたの!? 凄い!!!!」
「……ッ!!」
いつ以来だったか……。自分の為に人が何かをしてくれたのは。ゆっくりと冷えきっていたエメラルの心に温かさが染み込んでいく。