第5章 課外授業【ブラック☆スター・椿編】
「お前が誰か知らねぇけど、俺は誰にも負けねぇ。……俺は神だって超える男だ!!」
「……あなたは恐れなくても、村人たちはあなたを恐れる。……その左腕のマークにね」
ブラック☆スターは自身の腕に刻まれた星マークを見つめた。このマークは、星族である証。消すことの出来ない禍々しい証。
「……俺は親父とは違う。生き残りとして、親父たちがしてきた事と向き合う覚悟は出来てる」
「……関係の無いお姉さんが犠牲になってもいいの?」
答えにくい質問を平気な顔で少女は投げ掛けた。ブラック☆スターの覚悟を確かめているのだ。
彼に目をやったあと、意を決した椿が代わりに口を開いた。
「私は彼の武器となった日から、どんな事が待ち受けていようと一緒に歩むと誓った。だから、私は……」
その先を言おうとした椿の口元を覆ったのは、ブラック☆スターのゴツゴツした手だった。小柄な彼ではあるが、その手は日々の修行により、幾つもの努力(傷)が刻まれ、逞しい手をしている。