第5章 課外授業【ブラック☆スター・椿編】
「縁起でもねぇ事、言うな!! お前は、この俺が必ずデスサイズにしてやるから!! ………あ」
彼女の口元から手をゆっくり外し、ブラック☆スターはバツが悪そうな顔をした。
「え? どうかしたの、ブラック☆スター?」
「悪ぃ。さっき用足した時、手洗うの忘れた」
「……イヤァー!!!!!!!!」
── ドカッ!! ガンッ!! べキッ!!!!
静かな森に暴力的な音が響き渡った。スラッとしたスタイルから、か弱くも見える椿だが意外と力は強い……。
「最低。……ちょっと感動してたのにッ!!」
忍具入れからハンドタオルを取り出すと、口元を念入りにゴシゴシと椿は拭いた。
「……ところで、あなたは?」
少女と同じ目線になるよう体を屈め、椿は彼女に問い掛けた。
「私は、この神木の精 エメラル・ド・グリーン。呼ぶ時は、"エメラル"でいいよ」