第5章 課外授業【ブラック☆スター・椿編】
「痛いじゃない! 何すんのよ!! ……せっかく、人が忠告してあげようと思ったのに!!」
見れば、木の中から あの光と同じ色をした小さな光が現れ、二人の目の前にフワフワと着地した。
── ボフンッ!!
もくもく上がる白い煙。それに身構えるブラック☆スター。
「煙幕か!? 椿、戦闘モード!!」
「はいっ!!」
椿は大きな手裏剣の形に姿を変え、ブラック☆スターはそれを自身の顔の前で高速に回転させ、煙幕を払って行く。
「よし、これで……!?」
完全に煙は晴れた。しかし、彼は何度も目を擦っている。まだ視界がぼやけているのだろうか。いや、違う。彼が目を擦っている理由は……
「お化けかッ!?」
「何よ! 失礼じゃない? 人の顔見て、"お化け"だなんて!!」
耳ほどの綺麗なブロンドの髪、クルンと癖毛なのかパーマのように柔らかなウェーブが かかっている。瞳は深い緑色をし、宝石のように美しい。白い肌に淡いクリーム色をしたワンピースがよく似合う、小柄な少女が彼の前に立っていた。