第5章 課外授業【ブラック☆スター・椿編】
「よし、行くか!」
「……待って、ブラック☆スター」
「ん? 何だ? う○こか?」
── バッチーンッ!!!!
頬を打(ぶ)った音が静かな森の中に響き渡った。普段やさしい彼女も、きちんと突っ込む時は突っ込む。
「違う! ……見て!! 木が!!」
「木がどうしたって? ……うわッ、何だよ……これ」
くっきりついた椿の手形を頬に残したまま、ブラック☆スターは神木と向かい合った。今し方まで、何の変哲もないゴワゴワした幹に青々と葉っぱが茂っていたのだが、今は木自体が発光している。それも、蛍光色のエメラルドグリーンに近い色合いで。
光は、どんどん強さを増すばかり。二人は、ついに謎の光に呑み込まれてしまった。眩し過ぎて瞼を開いているのが辛い。
「椿!! 何があっても、俺の手を離すなよ!!」
「くっ……はい!!」
伸ばした手を何とか結び合い、はぐれないように互いの手を硬く握りあった。